そう、寝不足で寝たいのに首こりが起こってしまい頭痛で寝れなかったのです。これでは怪獣になるほかはありません。
怪獣になったからには歩くしかありません。外へ出ましょう。

やはり夜に歩くのは楽しいです。夜風が気持ちいい。ちなみに、首こりや肩こりの症状は眼精疲労にもつながります。うん、街灯が目に痛え！！！

道は丘を降るように走っており、そこから夜景が見えます。なんちゃってcityに住んでいるので光がまばらですが、おれの目にはとても綺麗に写りました。松林とのコントラストも素晴らしい。

先程たらふく夕食をとって満腹なのにサイダーをあおって膨れた胃袋をさすりつつ、歩道におかれたベンチを見つけました。ちょうどいい。ここで少したたずもう。
そう思ってベンチのそばに立ち、スマホを顔の正面にむけてやると、数分前にﾋｬｰが来ていました。さぶうぇいは許しません。
しかもこのベンチ、やけにすっとんきょうなところに置かれているので、周りからおれの姿が目立ちます。やめろ、車のヘッドライトで照らすんじゃない。恥ずかしいだろうが。

近くにあったコンビニで適当なものを買い、踵を返してふと、いま渡った橋の下の水面に目が行きました。こんなあたりが暗い時間でも、川が波立つようすは人に落ち着きを与えてくれるようです。
ああ、いいなあ。火サスのアイキャッチにこんなのあった気がするなあ。

さて、満足したので帰ります。裏道を使うことを思いついたので、先程下った丘に続くもう一本の道をのぼります。
たしか街灯はあったはずです。もしなかったらバリバリに恐怖すぎるので引き返そうと考えていました。するとすぐに、ひらけた所に出ます。
奥に何本か見える路地の、どこに入っても家には帰れるはずです。そこであまり人家が多すぎず、部外者が入っても怪しまれなさそうな道を選ぶことにしました。

さすがに薄暗く、自分の歩幅が縮んでいるのがわかります。ここにきて首筋のこりとバグった眠気もピークに達しました。ブルーシートに包まれた何かが崖下からのぞいています。怖い。いったい何が入っているんだ。公共の目に晒されるものをそんなおぞましく包装するな。ふざけやがって。今日死ぬまである。

さらにひどいことに、この路地を抜けた先に見える街灯がクソブルーなのです。劣化でしょうか？それとも防犯か何かの意図があるのかもしれません。しかしビビってる人間に、ゴールしても安心できなそうな印象を与えるのは、間違いなくいじめだと思います。深夜の住宅地を徘徊する変人を演じるべきだったか。

緊張感が高まるといろいろな刺激が気になるものです。葉を踏んだ音がする度に何か恐ろしいものに触れた気がします。人家の感応式電灯に肩が縮まります。これはもうやってられんと思い、こんどは早歩きを始めました。整備されてない公園が横目にはいりましたが構いません。つかつかつか、と駆け抜けて、やっとブルーの街灯の元まで辿り着きました。

勝利です。そこにはさっき歩いた丘を下る道があったのです。もう怖がることなく家まで帰れます。早歩きで代謝があがった影響なのか、いつのまにか首こりの症状もよくなっていました。目の周りが冷えていると感じたので、めぐリズムを買って帰ることにしました。

こうして、どじゃべにーなはもう一度コンビニに寄って、自分の家まで帰ることができたのです。ちなみにアイマスクだと思って買っためぐリズムは首の後ろに貼るやつでした。

………ギャオオオオオオオオオオオオオオオオオオ

おしり

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