こんにちは。ご無沙汰しております。”おワン｡"と申します。

今日はかなりショッキングな出来事を経験したので、有料会員の皆様にも共有したく今回筆を取った次第です。

ぼくは普段、上級者として生活しているので、汚らしい下界に降りることはまずないのですが、今日はちょっと冒険してみようと言うことで。

むろん、持ち物は舌の裏に仕込んだ現金のみですし、裏アルミ地帽もDIYで箔を足しての外出。完璧な装備です。

さて、皆様は下界でお過ごしですからご存じのこととは思いますが、そう、街の至る所に「蕎麦の専門店」があるのですね。

正直、非常に感心いたしました。しかし所詮は下界ですから、あまり期待しすぎないようにして、試しに入店。

最初に気になったことは、上級者が来店したにも関わらず誰も出迎えないことでした。厨房(←なぜ客席から見える？不潔！)のほうから店員がチラッとぼくを睨んでいたので、その店員に「コンシェルジュはいないのか」と聞いたところ、「そんなものはいない」との事。

この時点でもうこの店に金を払う価値がないことは分かりましたが、今日は冒険の日ですからここで食事もしてみることに。おっかなびっくりの気持ちでかけそばを注文。

来ない方が良かったかな……？と思いつつ、とりあてず席にはつきましたが、ここまでにぼくはいくつも悲惨な状況を見つけていたのです。

なんと、店内のいたるところから鼻を啜る音が聞こえくるのです。この店は蕎麦に生物兵器を仕込んでいて、それで呼吸器症状が出ているのでは？とも勘繰りましたが、どうも違うようです。

なんと、客どもが蕎麦を頬張ろうとするたびに「ズズズ」と非常に汚らしい音を発していたのです。

また、愕然としてしまいました。

そもそも食事は静かに行うべきですし、しかも多くのヒトが、箸で掴んだ蕎麦を口の手前に運んでから吸い込むような食べ方をしているのです。
これでは汚い音がして当然。

箸は、ものを口の中まで運ぶのが正常な使い方です。それをしないのはきっと、彼らがそれすらもできないほど手先の繊細さに欠けているからに違いありません。

本当に酷い。人類の知能はもはやチンパンジーをも下回っているようです。

まだまだあります。なんと立ったまま食事をする者もいました。補強用であろう壁のでっぱりをテーブルがわりにして、もはや貪るように器にかぶりつくヒト共が何人も並んでいる様相には、もはや良識も秩序も感じられません。
さながらスラムを見ているようでした。

この時点でもはや絶望感すらあるのですが、もっと酷いことに、この耐え難い騒音の中どれだけ待ってもかけそばが来ないのです。
しかも、2時間ほどすると店員がやってきて、「店から出ろ」と言われたのです。

ありえません。

ぼくのような上級者の注文を無視した上で"帰れ"などというのは不快極まりない対応です。それでも穏便に事を進めたかったので、このときは右肩を噛みちぎるぐらいにしておきましたが。

「注文したかけそばはどうなった」と聞いたところ、今度は「そんな注文は受けていない」とほざきます。さらにぼくは、「確かに注文した」と押したのですが、店員は「だってアナタ、僕にコンシェルジュ要求したっきり、なにもおっしゃらないで座ったじゃないですか」と言うのです。

意味が分かりません。

下界の者にとって上級者の意思は、すべて愚民の側が汲み取るべきことです。にも関わらず、このぼくが注文をするためだけにわざわざ発話を要求するなどというのは相手を見下す最低の行為に他なりません。

もう許せなかったので、厨房に入ってそこにあった具材を全て食べました。それでも我慢ならず、こんどは蕎麦を茹でている鍋をひっくり返しました。
おかげで鍋の湯をかぶってしまったので全身をやけどしてしまいました。こんどは慰謝料を請求しようと思います。

それが済んだら二度ときません。以上。

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